アニデレってなんのこと? って方はそのまんま気にしないで読んでね!
幼馴染とは実は難しいものである。
それも男女ともなれば尚更だ。
世の中に蔓延するライトノベルやらアニメやらドラマでは、幼なじみは非常に恋愛的に有利なポジション。ハーレム系の作品においては超絶有利な位置にある。
そりゃあ最初から好感度MAXポジションともなれば、まさに正妻戦争のシード枠のようなもんだからな。実際強い。
幼馴染属性とは最強である。
あるアニメの幼馴染の女の子は、朝から制服でモーニングコールをしてくれる。
また、ある漫画の幼馴染の女の子は朝食を作ってくれる。
またまた、あるラノベの幼馴染の女の子はボディタッチも厭わないでぺたぺたくっ付いてくる。
……否、否否否ァッ! 現実の幼馴染とはそんなに甘くはないッ! (ガチギレ)
そもそも幼馴染のことをガッツリ
傍から聞けば訳が分からないだろう。幼馴染のことを幼馴染と言うことがなぜ少ないのか。
俺と凛は自宅がお隣さんで生まれた年も同じ。
これは俺の感覚になるが、幼少期から一緒にいるのが当たり前だったので『あり? そういえば俺らって幼馴染ってヤツなんじゃね?』って思ったりするパターンが多かったりするのである。近すぎてわからんくなるってやつだな。
というか、実際に俺と凛の場合もどういう関係かって友達に聞かれた時に『そういや俺とあいつって幼馴染じゃん』ってなり、そこでやっと理解したくらいだ。それまでは気にすらしていなかった。
そう、気が付きすらしなかった。
長い黒髪に蒼い瞳。モデルより可愛い(俺談)整いまくった顔立ち。
正直幼なじみが美男美女なんて言うのは二次元でしか有り得ないが、ここに関しては二次元よりも確実に出来すぎなくらいだ。
だがしかーし! 現実の幼馴染はモーニングコールはしてこないし、朝ごはんも作りに来ない!
あっちだって朝は忙しいんだ。女の子ともなれば尚更だろう。多分、化粧とか髪の毛とか大変だろうし。よくわからんけど。
しかも男女間の幼馴染とは非常に難しいものがある。
男だったらそれこそどちらかの性格に難があったりでもしない限りは、お互いのことが手に取るようにわかるであろう親友になり得るかもしれないが、男女間ではそうもいかない。
まず距離の取り方がわからない。特にこれは小学校の終盤頃、もしくは中学に上がってから顕著にでる。
それまでは男友達と同じように接することが出来ていたのに、急にそう出来なくなった時の関わり方は非常に難しいものがある。距離の取り方や接し方の測り方も分からずにわたわたしているうちに、喧嘩した訳でもないのに少しずつ距離が離れていく。話はするけど仲睦まじく話すことだってほとんどない。
なんだその程度かよ、って思うかもしれないけどまじで深刻だからな! 女の子と付き合ったことの無い男にはわかんねぇんだよ!
しかも凛の場合は元々可愛かったとはいえ、年が経つにつれて急激に可愛いから綺麗になって行ったから俺が戸惑って少し距離を取ってしまった。
まぁ、それでも全く話せないというわけでも全然なく、単に昔と比べたら話さなくなったよねって言うだけに止まっている。
アレだよ。アニメで妹に幻想抱きすぎなのと同じように幼馴染にも幻想抱きすぎなんだよ。
友達も言っていたが実際現実の妹はおにーちゃんおにーちゃんとも懐かないし裸を見たとしてもお互い興奮も何もしないらしい。なんなら我儘ばかりでめちゃくちゃウザいらしい。
俺も妹という存在には少し幻想を抱いていたから、現実を突きつけられた時は非常に悲しかった。二度と妹欲しいとか言えないよね。まぁ一人っ子の幻想なんだけどね。
「そんな訳で、一応俺と凛は生物学的に幼なじみなだけなんですわ」
「その言い方、すっごいムカつくんだけど」
「だって凛怖いんだもん」
「なんて?」
「ごめん」
ほら怖い。可愛いのに怖い。
この子さ、基本的に表情は絶対に崩さない氷の女王だから怖いの。その割には表情そのままでオーラとかで威圧してくるから怖いの。こういう意味では元々芸能人のオーラ的なそれはあったのかもしれない。絶対違うけど。
「それにしても、しぶりんにも仲のいい友達がいたなんてね〜」
「それも男の子!」
「未央、卯月。それってどういう意味?」
「特に深い意味は無いよねー!」
「うんうん」
俺は今、不思議な状況にある。
流れの中で押し通されてしもうた結構広い部屋の中で男二人、女の子が沢山。しかも唯一の同性は超高身長のヤ〇ザみたいな顔をした人。
不味い、これは不味い。あまりにもビジターすぎる。始まる前から勝負決してるぜこれ。
しかもここにいる女の子が全員揃って可愛い。アイドルだから当たり前なんだろうけど。見た感じ全員中高生みたいな感じなんだろう。同年代かそれ以下の子が多く感じる。
「それで? 結局光は騙されてここに来たと」
「平たく言えば」
「なんで断らなかったの……」
「だって母親の許可出ちゃったんだもの」
曲がりなりにもプロになれるチャンスが転がり込んできたんだぞ。元々現実的にプロになるつもりなんか毛頭なかったが、チャンスがあるなら話は別だ。プロのベーシストに! 俺はなる! ワン〇ース!
「じゃあ、凛ちゃんの幼馴染くんも一緒にアイドルやるんだね!」
「えっ」
「えっ」
「え?」
「しまむー……流石にそれは無いよ……」
この子は何を勘違いしたのだろうか。俺がアイドルをやる顔だとでも思っているのか。無いよ、絶対に。
「確かに……松井さんのお顔はとても整っていますけど……」
「島村さん、一応、シンデレラプロジェクトは女性限定なので……」
「そ、そうなんですか」
「俺が知らないのはともかくそっちも知らないんかい」
島村さんと呼ばれている子は天然なんだろう。天然というか、ポンコツというか。まぁ可愛いからなんでも許してしまいそうだよね、こういう子。凛とか本田も苦笑いしてるし多分ガチなんだろうな。
「じゃあ、なんで光さんはここに?」
「……なんでですか?」
「そう言えば、まだ説明していませんでしたね」
そうだよ。何の説明もなしに呼ばれて女の子に囲まれてるけど、なんで俺がここにおるねん。
そもそもあのベヨ〇ッタに採用とは言われたものの、ちゃんとスタジオミュージシャンとしての採用なんだろうな。雑用の用務員のおじさんとかだったら泣くぞ。
「まず、松井さんはシンデレラプロジェクトがどういうプロジェクトか知っていただけてますか?」
「……申し訳ないけど、名前しか知らないっす」
「それじゃあ、まずはそこから説明しましょう!」
やけに嬉しそうな千川さん可愛い。
この緑に包まれたお姉さんもめちゃくちゃ可愛いんだよね。最初普通にアイドルかと思ったわ。
やっぱりこういう職員さんもみんな顔面偏差値が高くなるようになってるんだろうか。芸能界すげーわ。
「シンデレラプロジェクトとは、簡単に言ってしまえば『女の子が輝く夢を与える夢のためのプロジェクト』なんです!」
「ほぉ」
「ここにいる子はみんなプロデューサーからスカウトされたり、オーディションで選考された新人さんたちばかりなんですよ!」
「凛もスカウトされたんだもんな。めっちゃ顔の怖い人にストーカーされてるって」
「その件に関しては申し訳ありません……」
「も、もういいから……」
実はそれに関して話は聞いていた。珍しくビビった顔をしていた凛からな。
めちゃくちゃ顔の怖くてゴツい人からめちゃくちゃ声をかけられたって。そんときは普通に学校休めば? って返したな。俺が付いて行ってやるよ! なんてカッケーことは言えないし。俺だって怖いし、凛が。
「つまり! 私たちみーんな! ちゃんとしたアイドルってこと!」
「おー」
「反応薄くない!?」
だって察し付いてたし。凛もいるし、なんならみんなめちゃくちゃ可愛いからアイドルって言われてもおかしくは無いでしょ。
それよりもよ。
「そのシンデレラプロジェクトと俺がここに呼ばれたの。なんの関係があるんすか」
「ふふーん。聞いて驚きたまえ!」
「お前が知ってるのか」
「知らないよ?」
「なんやねん」
この本田ほんま……ほんま……。
こんなんでもちろっと舌を出してえへへと笑う姿が可愛いのがむかつく。可愛いなこんちくしょう。待って、凛が怖いんだけど。すっげぇ睨んでくるんだけど。ねぇ、ねぇ! 違うって! 何が違うかわからんけど!
「……ずっと立ちっぱなしでも申し訳ないですし。取り敢えず皆さん座ってもらいましょうか。松井さんも荷物をお持ちのようですし」
「あっ、サーセン」
そういやずっとベース背負ってたわ。意外と重いねんな。ベースって。
さっきからわちゃわちゃでとにかく話が進まないので、ゆっくり座らせていただくことになった。なんなんだマジで。女の子だらけで本当に緊張するんだけど。
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